最高の接客というのはこういうことかもしれない

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僕にとって、最高の接客をしてくれる美容室がある。
通い始めて9年を迎えようとするその美容室には、お世話になっている店主とスタッフさんがいる。
最近、クレーマーの話などで、お客という立場があまりにも強くなり、店側がお客の要望を飲まざるおえない状況が多発している話を良く聞く。
どんな接客が本当の意味でお客のためになるのか。
そんなことを考え始めた夜なのです。

はじめて美容室に通い出したのは25歳の時のことでした

はじめて、美容室の扉を開いたのはちょうど9年前の25歳のときです。
恥ずかしながらそれまでは、以下のような対応で伸びる髪の毛を対応してきました。

  • 自分で気にならないうちは、ヒッピーのように髪を伸ばしっぱなしにする。
  • 長さが気になってきたら、鏡で見える部分だけカットする。
  • 自分で切った髪型がおかしくなったら、少し茶色に染め上げる。

自分の時間を切り詰め、空いた時間を仕事に情熱を捧げた建築家、安藤忠男の影響を受けた訳でもなく、ただただ、それがカッコいいという勘違いのもと、行動に移していたのでした。

美容とは縁もない男が9年間通い始めた美容室

のちに、「これが最高の接客なのだ」と、教えていただいた美容室だ。

今思うと得体の知れない毒キノコのような頭の男をよくもまぁ入店させたと思う。美容とかけ離れた髪型とオシャレから見放されたそれは、ただの毒キノコだったからだ。

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最高の接客とはお客に親身になると言うことだと教わった

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美容室慣れしていない僕は、思ったことや突拍子もないことを話題にしていた。
静かで落ち着いた美容室の雰囲気とは真逆の漫談のような話だったのだろう。

美容室にいることにルールなんてないと言ってくれた店主は、異質な僕を受け入れてくれた。

年月が過ぎ、徐々に仲良くなってきてもそのスタンスはお互い変わらない。
人が人である限り、それぞれが違うことを受け入れるという認識でお互いがいる限り、その場はとても居心地の良い空間となった。

親身になると言うことは、時に叱ってくれると言うことだ。

ある日、美粧室で髪の毛を切っていると、僕の「これからの未来」の話を聞いてくれていた。
年齢のこともあり、やりたいことがあるが諦めようと思っていることがある。
という話だった。

美容室の空気を乱すような異質な僕を嫌な顔一つせず、明るく受け入れてくれた店主が始めて怒った。
「いつか終わる人生だし、やりたいことを年齢を理由に諦めることはカッコ悪い」と言ったのだ。

正直、ビックリして汗が顔からたくさん吹き出して、頭から落ちてくる髪の毛が顔全体に張り付いて採れたてのウニのようになってしまった。

しかし、そのことは今でも感謝している。
怒ってくれると言うことは、そのことに対して本気に接してくれた証だからだ。

最高の接客がお客に対してイエスマンになることだとしたら、人は甘えが生じ、いずれは望みもしないダメな人間になっていくのだと思う。

昔堅気の接客を良しとしようと言う話じゃない。

お店とお客の間には、そういう人間臭さがあった方が良いと言う話だ。
だから僕は、人間臭く、叱咤してくれるお店が大好きだ。